株初心者のためのファンダメンタルズ分析5つのポイント

株式投資にファンダメンタルズ分析は必要不可欠


株式投資、特に長期投資をしていく場合には、ファンダメンタルズ分析の技術が必要不可欠です。
ファンダメンタルズ分析に関する本は、書店に行けば数えきれないほどありますが、初心者にとってはまず何から見ていけばよいかわからないでしょう。

アメリカの著名な投資家であるピーター・リンチ氏は「調査なしの株式投資は、カードを見ずにポーカーをするようなものだ」と言っています。

株というゲームのテーブルついて参加するには、カード(銘柄)を調査する仕方を知っておく必要があります。

そこで今回は銘柄分析の王道のひとつ、ファンダメンタルズ分析の基本を解説します。
ファンダメンタルズ分析は投資をするなら一生かけて学ぶといってもよいほど、重要なものですが、この記事でその最初の一歩が踏み出せたらと思います。

株のファンダメンタルズ分析とは?


株式投資における銘柄分析の方法には、主に短期トレードにおいて用いられる「テクニカル分析」と、長期投資をする際に必要となる「ファンダメンタルズ分析」の2つがあります。

テクニカル分析は過去のチャートパターンや指標などから今後の値動きを予想しますが、ファンダメンタルズ分析では、企業の業績や外部環境など株価を動かす「材料」から業績予想を行い、現在の株価が割安か割高かを判断します。

ちなみに、「ファンダメンタル(fundamental)」とは「基本的な」とか「基礎的な」「下地」といった意味で、女性がお化粧の前に下地としてお肌にファンデーションを塗りますが、これもお肌に塗る「下地」のことを意味しています。

そこから「ファンダメンタルズ」は企業を構成する基盤・地盤として、売上高や利益、純資産価値など、企業価値を評価するための基礎的な財務データを指します。

ファンダメンタルズ分析で「成長ドライバー」が見つけられる


ファンダメンタルズ分析によって銘柄を調査することで、何がその企業の「成長ドライバー」となっているのか、なぜ収益性が高いのか、成長を持続することは可能なのか、さらに同社を取り巻く環境(たとえば、その業界で競合企業は多いのか、振興分野なのか)などを把握することができます。そこから、業績予想を行うことができるようになるのです。

「ドライブ」とは英語でDrive。つまり、動かすもののことを指します。
「成長ドライバー」とは、好調な業績を引っ張っていく源となっている要因、つまり成長の「原動力」となっているものです。

たとえば、他社が容易には真似できない大ヒット商品や、その会社にしかできない技術を使った仕事、画期的なビジネスモデルなどが成長ドライバーとされます。

実例でいえば、一定時間光を蓄えれば停電時でも長時間光る「N夜光(ルミノーバ)」という夜光塗料があります。この技術は東京の地下鉄などで、災害や事故の備えとして、電気を利用する避難誘導灯とともに、これを使った誘導標識が併用されています。

この塗料は根本特殊化学という会社の独自の技術によるもので、現在の世界シェアは80%にも及び、さらに時計用夜光塗料の世界シェアではなんと99%とほぼ独占しています。

こういったものが会社の業績を上げ、成長させる成長ドライバーとなります。

初心者のためのファンダメンタルズ分析5つのポイント


ただ、最初に書いたようにひと口にファンダメンタルズ分析といっても、その情報量・分析手法は膨大で、調査も煩雑になりがちです。

分析が難しく煩雑だと、初心者の場合だんだん疲れてきて、そのうちファンダメンタルズ分析がおっくうになってしまいます。

そこで、初心者の方にまず押さえておいてほしいのは、以下の5つのポイントです。

・営業利益:成長は加速しているか
・売上高:強い成長となっているか
・利益率:売上には利益が伴っているか
・成長要因:何が成長ドライバーとなっているか
・他社比較:銘柄独自の強みと弱みは

・営業利益
最初に「営業利益」を確認します。ここでは、利益の伸びが加速しているかどうか、前期よりも利益が大きく伸びているかどうかに注目します。なぜなら株式市場で評価されるのは、利益成長が加速している銘柄だからです。

・売上高
次に「売上高」で業績の伸びを確認します。なぜなら株価が大きく上昇するには、売上高の好調による強い利益成長こそが要因となるからです。

・利益率
さらに、売上高に占める営業利益の割合を示す「利益率」の動向も重要になってきます。売上の成長に利益率の上昇が伴うと、利益は飛躍的に大きく伸びるからです。

・成長要因
続いて、何が企業の成長ドライバーになっているのかを確認します。セグメント別やセクター別の決算概況などから、どの事業が成長しているのか、どこで利益を伸ばしているのかを読み取ります。

・他社比較
調査している銘柄の売上動向を、同業他社および業界統計と比較してみることも重要です。業界統計の数値と比べて違和感がないかを確認し、同業他社と比較することで銘柄独自の強み・弱みを把握しましょう。

「決算短信」と四季報ででファンダメンタルズ分析


これら5つのポイントをチェックすることで、企業の業績動向を知ることができます。
ここ最近の業績が具体的にどうなっているかを知ることは、今後の業績を予想する大きな手がかりとなります。

では、これら5つのポイントはどこから情報を見ればよいでしょうか?
上記の5つのポイントは「決算短信」から確認することができます。

決算短信は証券取引所の適時開示ルールにのっとって企業が公表する決算書類で、業績や財務状態など豊富な情報をタイムリーに得ることができ、投資家にとって非常に役立ちます。

また、個人投資家にとって心強い味方となるが会社四季報です。
会社四季報は東洋経済新報社の発行する株の情報誌です。

会社四季報は、上記の5つの点が的確にまとめられており、信頼ある四季報記者独自の業績予想も載った、個人投資家にとってバイブルといわれる本です。

ファンダメンタルズ分析には、会社四季報も合わせるとより効果的です。

楽しみながらじっくりとファンダメンタルズ分析をしていく


初心者のためのファンダメンタルズ分析5つのポイントを解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?難しそうに感じましたか?

ファンダメンタルズ(Fundamentals)の「基盤」「基本的な」という元の意味とは裏腹に、ファンダメンタルズ分析に用いられるデータや情報は膨大でキリがありません。

しかし、「売上高」「営業利益」「利益率」の3つに分析点を絞って注目するだけでも、対象企業の事業内容・ビジネスを把握し、将来の成長性や業績を予想することは可能です。

まずは1枚のカード(企業)をじっくりと分析し、そこから同業他社や興味のある企業に広げていくのもいいでしょう。

ファンダメンタルズ分析を積み重ねて、得意な銘柄・分野が増えることで投資に対する自信もつき、それがいずれ大きな利益へとつながっていくはずです。

株価チャートを見てテクニカル分析で値動きを予想するか、ファンダメンタルズ分析で業績を予想するか。人によって手法の違いや、あるいは向き不向きがあるのは当然ですが、長期保有を狙っているなら、焦らずにじっくりと銘柄を分析する楽しさを、ぜひ味わってみてください。

保有銘柄が少ないならそれほど焦ることもありません。まずはひとつひとつの項目をじっくり見ていき、ファンダメンタルズ分析をものにしていきましょう。