株が暴落した時のPBR活用法

株の暴落時にこそPBRが活用できる


ここ最近、日本株全体の低迷が続き、日本株は長期的な下げ局面に入ったのではないかという意見が、多くの専門家や投資家の間で語られ、メディアでも話題になっています。そして、近い将来、日本市場に大きな暴落が起こるのではないかとも危惧されています。

今回は、大きな暴落に備えて活用すべきPBR(株価純資産倍率)について解説していきます。日頃から常に投資について重要な情報を配信していますが、今回の記事もとても重要な記事で、このことを知っているかいないかで、今後の利益にも大きな差が出る可能性がありますので、ぜひ読んでみてください

PBR(株価純資産倍率)はひとことで言うと、「株価が割高かどうかを測る指標」です。PBRが高ければ高いほど、「今の株価は割高である」と言えます。安定した投資を行ううえで、このPBRを無視して投資するのは危険です。なぜなら、知らないうちに割高な株・バブル状態の株に手を出してしまう危険性があるからです。

株のPBRとはなにか?


暴落とPBRについて書く前にまず、PBRとは具体的になんでしょうか?PBRとは、Price Book -value Ratioの略で、日本語に訳すと株価純資産倍率とも言います。株価純資産倍率はある企業の市場価値(時価総額=株価×発行済株式数)が、会計上の解散価値である純資産の何倍であるかを表す指標です。

純資産は自己資本とも呼ばれ、会社の資産総額から負債総額を差し引いた金額を言い、「株主資本」「評価・換算差額等」「新株予約権」に分類されます。

このうち、株主資本とは、純資産のうちの株主からの出資金と会社がこれまで稼いだ利益の配当金を支払った後に残る内部留保の累計額です。

ここでPBRの計算式を書いてみます。
PBR=株価÷1株あたりの純資産(BPS)=時価総額÷純資産

例えばPBRをパナソニック(銘柄コード6752)で計算してみます。

PBR=株価1061(2019年2月4日終値)÷775.78(BPS)=1.37倍

計算式に利益の要素が入っていないため、株価がどのぐらい上がるのかという目安にはなりません。しかし、PBRが1倍を割り込むと、株を全て買って、企業の純資産を全て売却すれば儲かります。そのため、1倍がちょうど解散価値となり、1倍を割り込むことはめったにありません。

新株予約権とは?


ここで、新株予約権についても説明をしておきましょう。新株予約権は「新株の購入予約権」のことをいい、株式を好きなタイミングで購入できる権利のことをいいます。新株予約権にはあらかじめ購入価格(行使価格)が決められていて、投資家は条件を満たせばいつでも権利を行使し、株を購入することができます。新株予約権はあくまで株式を購入できる権利にすぎませんので、権利を行使しないこともできます。

つまり、投資家は利益が見込まれるタイミングで権利を行使することで、確実に利益が上げられるようになります。また、インセンティブとして役員や従業員に新株予約権を提供する場合には、株価が上昇することで利益を得られるようになるため、役員や従業員のモチベーションアップにつながります。

さらに、M&Aの場面では新株予約権を活用して敵対的買収を防ぐこともできます。このように、新株予約権は投資家だけでなく役員や従業員、さらには株主にも影響を与える重要な権利なのです。

日経平均暴落時にはPBRが1倍を割り込むことも?


世界経済に不安要素があり、日経平均が大きく下がってしまい、疑心暗鬼になっているような経済状況においては、企業自体の価値よりも不安な背景が先行して、PBRが1倍を割るようなことがあります。そんなときに株を買うと、時間とともに株価が上がり、その後に大きな利益が上がる可能性があります。

さて、過去にPBRが1倍を下回ったときを一例として、先のパナソニック(6752)で見てみます。ここ最近のパナソニックは、2017年に1800円近くまで上がりましたが、2018年は1000円を割り込むまで下がっており、現在1061円です。

■パナソニック(6752)
・過去20年間で、結果的に底値となった水準、平成24年11月5日終値388円
(株主資本1,149,631百万、期末発行済株式数2,453,053,497株、期末自己株式数141,368,990)

1株あたりの株主資本=1,149,631百万÷(2,453,053,497-141,368,990)=497.31
PBR=388÷497.31=0.78倍※

・過去5年間での安値、平成28年2月12日終値801.7円
(株主資本1,928,619百万円、期末発行済株式数2,453,053,497株、期末自己株式132,183,321株)

1株あたりの株主資本=1,928,619百万円=(2,453,053,497-132,183,321)=830.99

PBR=801.7÷830.99=0.965倍

このように、PBRが1倍を下回るような株価は、企業価値よりも売られ過ぎる傾向にあります。その後、市場が落ち着けば見直し買いが入る可能性が高く、底値になることが多くなっています。

しかし、注意しなければいけないのは、債務超過になりそうなときや、赤字幅が拡大して持ち直せそうにないときです。このような場合は、株価が戻らないこともあります。

債務超過とは、債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態。 つまり、資産をすべて売却しても、負債を返済しきれない状態です。これは言いかえれば、負債が資産を超過している状態のことを指します。単純に言ってしまうと負債がかさばり、返済するあてがなくなってしまっている状態です。債務超過は経営をしていくうえで絶対に避けなければならない状態の一つです。

債務超過は負債が重なって返済できなくなっているだけでなく、その会社の現状の利益だけでは負債の返済が追い付かなくなるため、経営が赤字になり続ける状況が起こります。つまり一度債務超過の状態に陥れば、なかなか抜け出せなくなってしまうのです。

株価が暴落しているときは、冷静にPBRに注目すること


経済不安が起きていて、日経平均が大きく下がっているときは、優良な株も「これ以上株価が下がる前に売ってしまおう」と、過剰に売られ過ぎてしまうことがよくあります。

そんなときこそ冷静にPBRを見ましょう。ふだん高くてなかなか買えない銘柄でもPBRが1倍を割っている、もしくは1倍に近くなっていれば、底値で買えることもあるかと思います。そこで買えれば相場の株価よりも大幅に安く買えるので、そこから時間とともに株価が回復すれば大きな利益となります。

多くの投資家は、大きな暴落が起こると焦ってしまい持ち株をすぐに売ってしまったり、逆に下がり続けているのにロスカット(損切り)もせずに、損失を拡大させてしまいます。また、株価がこのまま上がらないのではないかと不安になり、新規に株を買えなかったりします。

しかしここで冷静になってPBRを見て、本来の価格よりも大幅に株価が下がっていて、今がお買い得だと考えることができれば、そこで株を買って後に大きな利益を得ることができます。株の歴史を見ればブラックマンデーやリーマンショックなどのとてつもなく大きな暴落が起こった後でも、株価は時間とともに必ず回復してきており、一時的に下がった株価も回復してきているのです。

暴落時にPBRを見て、今の株価が“相場に比べてお買い得”であることを見極め、なおかつ市場の回復を冷静に予測することができれば、大きな利益が期待できるのです。