ROEが高くても注意する

ROEが高くても


ROEが高い会社は、たしかに資金を効率的に使う「会社として稼ぐ力」が優れている会社と言えます。

ただ、ROEが高いだけでは、会社の経営全体が優れているかどうかわかりません。
ROEが高くても、危ない会社というパターンもあるのです。


その時にひっかかりやすいパターンとして、実質純利益も良く、なおかつROEも10%以上で、一見安定しているが、実は会社の負債が大きく、財務は危険な状況であるという例があります。

こうしたケースでは見かけのROEは高くても、経営は危ないということが言えます。
つまり、ROEがただ高いからと言って優良企業と判断するのは危険なのです。

投資家の例で考えると


前回の記事で例に出した投資家AさんとBさんのパターンを思い出してみましょう。

Aさんは株式投資で資金2000万円をかけて200万円を稼ぎ、Bさんは200万円の元手を使って、150万円を稼ぎました。

二人のROEはAさんが10%、Bさんは60%で、稼ぎの効率はBさんの方が良さそうです。

ところが、

もしBさんがうそをついていて、「本当は自己資金が200万円で、他に800万円借金してた」と告白したらどうでしょう?


そうなると話がぜんぜん違ってきます。

実際は、Bさんは自己資金200万プラス、借金が800万円の合計1000万円を投資していて、その8割が借金なのです。

いくらAさんに比べてBさんが効率よく稼いでいても、Bさんは800万円の借金を背負っているのです。

さて、安心できるのはどちらでしょうか?

ROEが高くても負債が多い会社の例

別の例を使って「ROEが高くても負債が多い会社」について考えてみましょう。

C社はある年に自己資本20億円で、実質純利益を20億円稼ぎました。

ということは、C社のROEは、

20億円(自己資本)÷20億円(実質純利益)×100=100%
でC社のROEは100%ということになります。


一方D社は、同じ年に自己資本90億円で実質純利益を10億円を稼ぎました。

とすると、D社のROEは、
90億円(自己資本)÷20億円(実質純利益)×100=11%
でD社のROEは11%ということになります。

ROEだけで両社を比べれば、ROEが高いC社の方が稼ぎが優良だということができます。

ところが、よくよく調べるとなんと、C社は90億円の負債を抱えている!D社も負債はあるものの、10億円です。

さて、こうしてみると稼ぎがよくても大きな借金があるC社と、稼ぎの効率は低くても借金の少ないD社とどちらが安定していると感じられるでしょうか?

このように、ROEだけで会社の業績をみるのも危険です。ROEを見る時は、同時に負債がどれくらいあるかについても同時にチェックするクセをつけていきましょう。