株式投資に「なくなってもよいお金」はない

株の「余裕資金」と「なくなってもよいお金」は違う


よく株を始めるときは、最低限の生活資金は投資とは別にとっておき、株のための資金を用意して投資に望むことが大事と言われます。

これは、投資の資金と生活資金を別々にして、心理的な余裕を持って投資をするために大切なことです。

意外と多いのですが、投資がうまくいかずに焦って、生活資金のまで費やしてしまうケースはよくあります。

大切な生活資金が投資の成果にかかってしまうわけですから、焦りも当然生まれます。
そうなるとうまくいかなくなるのは目に見えています。

そういう意味で、「余裕資金」を設けることはとても大事です。しかし、この余裕資金と「なくなってもよいお金」は似ているようで別物なのです。

これは、投資をしていく上でとても大切な心構えになるので、き違いをきちんと整理しておきましょう。

人は「メンタルアカウンティング」という心理を持っている


わたしたち人間は、心の中にいくつかのお財布を持っていて、それらを別々に管理しています。

行動ファイナンス学という分野ではそれを「メンタルアカウンティング」と呼び、日本語で「心の会計」、「心の家計簿」とも約されます。

たとえばこんなこと、思い当たらないでしょうか?

今月は仕事を頑張ったから、自分へのご褒美と銘打って、給料以上に高いお買い物をしてしまう。

頑張って仕事をして入ってきたお金と、ご褒美として出ていくお金は同じ財布からなのに、ご褒美のお金は豪快に使ってよいとお金と心のなかで勝手に仕分けしているのです。

ほかにも、汗水たらして働いて得たお金は大事にしなくてはならず、ギャンブルや宝くじであたったお金はパッと使っていいと考えるのも、メンタルアカウンティングの一種です。

投資にかける資金は「なくなってもいいお金」と考えるのも、メンタルアカウンティングによるものとわたしは考えます。

しかし、それは本当にそうなのでしょうか?
ここでそれに疑問を持たなければなりません。

メンタルアカウンティングは株の銘柄選びの精度を落とす


上記のメンタルアカウンティングによる投資資金の捉え方、言い換えれば「なくなってもいいお金」思考は、投資においてもっとも重要な銘柄選びを適当にさせてしまいます。

しかし、当然ながら実際は投資で「なくなってもいいお金」などありません。
投資でいわれる「余裕資金」は、投資でお金を増やすための大切な資金なのです。

この「なくなってもいいお金」と「投資のための余裕資金」の捉え方の違い、マインドセットの違いは投資の成果に大きな違いを生みます。

ある程度投資に慣れて、長期的に投資を続けていると、どうしても最初の緊張感が薄くなって、投資しているお金に対する認識も変わってきてしまいます。

あなたもいつのまにか投資資金を「なくなってもいいお金」と認識していないか、メンタルアカウンティングが生じていないか振り返ってみてください。