大暴落が起きたときの対処法

投資をしていれば暴落は避けられない

株式投資という性質上、残念ながら株式市場の暴落とそれに伴うダメージを被ることは避けられません。小さな暴落はもちろんのこと、リーマン・ショックなど「100年に一度」と言われるような大暴落を経験することも、けして珍しいことではありません。

特に数年あるいは、数十年単位の長期投資をしていれば大きな暴落に見舞われることは何度かあるでしょう。株で儲け続ける投資家はずっと投資をし続けるわけだから、必ず大なり小なり暴落に見舞われます。

しかし、そのたびに為す術もなくただただ見守るしかないのかというと、そうではありません。暴落には取れる対処もあるし、暴落時に取るべき対処もあるし、暴落はむしろチャンスですらあるのです。

今日は、いざ暴落に遭ったときにどう考え、どう行動すればよいか考えていきましょう。

チャイナ・ショックの大暴落

暴落で比較的直近で、記憶に生々しいのは2015年8月に発生した「チャイナ・ショック」です。チャイナショックは、「中国ショック(中国危機)」とも呼ばれ、中華人民共和国を震源とする、世界の金融市場に大きな影響(混乱)を及ぼした出来事の総称をいいます。

これは、2000年代以降、飛躍的な経済成長を遂げ、2010年に米国に次ぐ世界第二位の経済大国となった中国が、景気失速懸念や政策変更、シャドーバンキング問題などから人民元の急落や中国株の急落などを招き、それが世界各国の金融市場に伝播して、為替相場の急変や株式相場の急落などの混乱を招いた事象を指します。

2012年12月からスタートしたアベノミクスによって、日本株は勢いよく上昇しました。8000円台からスタートした日経平均株価は、2015年6月には20000円を超え、まさに破竹の勢いでした。このときに、ここぞとばかりにたくさん株を買った人もきっと多かったでしょう。

そんななかで、突如発生した2015年のチャイナ・ショック。中国経済の減速が世界経済にも波及するんじゃないかという懸念によって、日本だけでなく世界中が同時株安に見舞われました。世界中の投資家が「持っている株の株価が下がるんじゃないか」と弱気になったことで、売りが加速し、この同時株安は起きたのです。

確かNYダウ(アメリカでいう日経平均株価のようなもの)は、1日で1000ドル以上も下げた日があったと記憶しています。NY(ニューヨーク)ダウとは、世界経済の中心であるアメリカの代表的な株価指数で、アメリカの日刊経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」の発行元、ダウ・ジョーンズ社が算出しています。日本の代表的な株価指数、日経平均株価も日本経済新聞社が算出していることは知っていますね。実は日経平均株価自体、NYダウをマネして作られたものだといわれています。

つまりこの日はアメリカでも、日本で日経平均株価が大きく下落したように、アメリカの企業全体で株価の大きな下落が起きたのです。

株の暴落はジェットコースターと同じ

冒頭で突如として起きた暴落と書きましたが、実は暴落というのは突如起こるものではありません。暴落が起こる条件というものがちゃんとあり、それは市場の暴騰なのです。

そもそも暴落とはどういう意味でしょうか?暴落は、経済全般やマーケット全般を対象とした用語で、相場(価格、値段)が急激に大きく下落することをいいます。これは、相場が下落している状態の時に使われ、また暴落とは反対(逆)に、相場が急激に大きく上昇することを「暴騰」と言います。

当たり前といえば当たり前ですが、株価でも成績でも飛行機の高度でも、下がるということは上がるという前提があってのことです。逆に上がるのも、下がることがあってこそです。

あなたが今、遊園地のジェットコースターに乗って、それが動き出したとイメージしてください。コースターはゴトゴトと急角度で空高く上がっていき、もうすぐてっぺんかな、まだかな、まだかな、ドキドキ…「きたーーーーーーーーーーーーっ!」となりますよね。

実は株の暴落という現象もこれと同じなんです。

暴落の前というのは、なんとなく投資家みんなが、そろそろ株価はてっぺんかな、いやいやまだまだ上がるかなと思っているところに、「きたーーーーーーーっ!一気に株価が下がったーーーーー!」となるワケです。

暴落が起きたときにやりがちな失敗パターンとは

暴落が起きたときに、対応に慣れてない投資家はこんなパターンでよく資金を減らしてしまいます。次章では暴落時に「最もやってはいけないこと」を話しますが、その前に暴落でやりがちな失敗パターンを書いておきます。

近年、ライブドアショック、サブプライムローン問題、リーマンショック、東日本大震災などなど、多くの投資家が相場急落を経験してきました。こうした急落の場面では、日々の値動きが荒くなるので、相場に振り回されないよう注意が必要です。

相場急落で損をしてしまう典型的な失敗パターンがこちらです。

1. 保有する商品が一気に値下がりしてパニック状態になり、すべて売ってしまう(狼狽売り)

2. 時間とともに株価が少し戻る

3. 狼狽売りした商品を買い戻す

4. 再び株価が下がる

5. ふたたび狼狽売りしてしまう(または売れずに塩漬けしてしまう)
↓塩漬け株についての参考記事はこちら↓


この1~5を繰り返していると、損失が重なってあっという間に資金が減ってしまいます。「こんなバカなことをするはずがない」と思いがちですが、急な暴落に冷静さを欠いて、このような取引を繰り返す初心者は少なくありません。

しかし、この行動パターンはすべてが間違いというわけではありません。「売る」という部分は暴落時の対処において、大きなチャンスに備える重要なアクションです。その理由は次章からお話しします。

暴落が起きたときに最もやってはいけないこと

さて、株価がジェットコースターのように急降下して暴落を迎えてしまった場合は、あなたはどう行動すればよいのでしょうか?

前章では「暴落時にやりがちな失敗パターン」を書きましたが、今度はもっとも避けて欲しいことを書きます。それはずばり、「なにも行動しない」ことです。

暴落の時期を乗り越えるときに一番難しいのは、それが一日だけなのか、数日間なのか、それとも数ヶ月、あるいはもっと長いのか、その最中は判断できないことです。そして何が一番の最善策なのかわからないことです。

長い株の歴史の中でも大きな暴落であるリーマン・ショックですら、最初はそんな大事に至るなんて株の専門家でも予想できませんでした。

たいていの暴落は、なにか大きな要因が一つだけあって起こるわけではありません。多くの人々のいろんな不安が膨張したところに現れた、ちょっとしたほころびが暴落へと成長していきます。

そこで取れる暴落対策として、原因がよくわからないけど大きく株価が下がったときは、とりあえず売りましょう。

なんでだろう?どうしよう?と考えたところで、下がっていく株は止められません。もちろん、ほんの一日だけ大きく下げて、その次の日はリバウンドで大きく上がることだってあります。

それを考えるとどうしても、「我慢して売らなければよかった」となりますが、それよりも下げ止まることなくズルズルと下降トレンドに入ったときのダメージの方がはるかに大きいのです。

チャイナ・ショックのときも、20000万円を超えていた日経平均株価は半年で14000円台まで落ち込みました。そこから一年半で2万円台を回復してきたので、そのままずっと待っていてもよかったことになりますが、待っている間がとてももったいないのです。

株で稼ぐチャンスは暴落のときにあり

意外かも知れませんが、株で大きく利益を取るチャンスは暴落のあとにあります。暴落のときは市場全体の株価が下がるため、実力があるよい企業の株も引きずられて下がってしまいます。

その下がったときこそ、普段は高い優良株をバーゲン価格、つまり通常よりずっと安い価格で買うチャンスなのです。バーゲン価格で買うことができれば、その後に上昇したときに得られる利益は一段と高くなります。これは、株主優待だけで生活していることで有名な個人投資家である桐谷広人さんも同じことを言っています。

バーゲン価格で買うためには、その時点で買えるだけの現金を持ってなければなりません。
暴落で下がってきた株を何もせずにそのまま持っていて、いざ買う時に現金の余裕がなかったらいくら買いたくても買えないのです。

その時のチャンスのためにも、暴落で持ち株の株価が下がってきたら早めに売り逃げをして株を現金化し、現金を用意してバーゲン価格を待つのが暴落時のひとつの有効策であり、ひとつのチャンスと考えます。

そのために必要なのは、暴落時に何をすべきか、暴落時にはどんなチャンスがあるのかを暴落が起こる前にしっかりと認識し、いざという時に冷静に的確な行動が起こせる準備です。これは株に限らず災害対策でも同じです。

災害がいざ起こったときに、どんな行動が必要で有効なのかをあらかじめよく知っておき、その時にすぐに必要な行動が起こせるように準備しておくのです。

暴落後は、株価上昇のサインをじっくり待って買うこと

暴落によってバーゲン価格で買うことは大変有効な戦略ですが、このとき気をつけたいのが、株を買うタイミングです。

暴落によって株価がどんどん下がってくると、そろそろ底値かなと思って早めに買ってしまいがちです。しかし、ここで慌てないでください。まだまだ株価は下がる可能性が高いのです。

こういうときは、まるで底なし沼のようにズルズルと株価が下がる傾向にあります。下げ止まって、さらにそこから株価上昇のサインが出てから買うのが鉄則です。

じっくりと株価が上がるのを待つというのはなかなかに辛いものですが、儲けるチャンスを活かせるかどうかはここにかかっています。そこまでは慌てずにじっくりと待ちましょう。待った分だけ、その報酬は高くなるのですから。