NISA口座と特定口座のメリット・デメリットを知ろう

NISA口座の使い分けは儲けに直結する


どんな投資でも利益が出るとそれに対して一定の税金が課せられ、それから逃れることはできません。もちろん株式投資でも利益が出れば、必ず税金を取られます。

ちなみに現在、株式投資で課せられる税金は利益に対してなんと20%もかかります。
苦労して、儲けたお金でも税金が取られてしまうのはあまりいい気がしませんよね。

投資で儲けたお金から税金が取られることは避けられませんが(避けたとしても確実にもっと損します)、日本政府が指定した制度を使うことにより、納める税金負担を軽減させることならできます。

それが、特定口座やNISA口座です。特定口座やNISA口座には説明を読むと、確定申告などややこしそうな単語もたくさん出てきますが、この制度を十分に理解しておくことは、株式投資でうまく儲けていくには欠かせません。

今回はこの特定口座・NISA口座についてメリット・デメリットを理解していきましょう。

NISA口座と特定口座のメリットとデメリット


NISA制度(正式名称:非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得(株式を売買したときに得る所得)等の非課税措置が、導入されてからすでに5年が経過しようとしています。

ブログを書いていると、割と多くの方からこのような質問を頂きます。

「NISA口座と特定口座の使い分けがいまいちわからない」あるいは「平成30年の年末で平成26年に開設した口座がちょうど満期を迎えるのだけれど、そのとき、どういう判断をした
ほうがいいのかわからない」というものです。

ということで、NISA口座と特定口座のメリット・デメリットを対比させることにより、その使い方や使いわけの判断基準をみていきたいと考えます。

NISA制度とはなにか?

では改めてNISA制度の解説から始めましょう。

NISA制度とは、平成26年1月に創設された、少額から投資を行うための非課税制度です。非課税投資枠が年間120万円まで、(当初、100万円だったものが、平成28年より120万円に増額されています)非課税投資期間は最長5年間とされているので、「預け入れ期間5年以内であれば、その間に生じた配当所得や譲渡所得について税金を課さない」つまり、非課税とされていることが最大のメリットです。

具体例を出します。

あなたがNISA口座を使って年間で120万円分の株を売買して、フル活用した場合、連続で5年間保有すれば、

120万円(一年の非課税枠)×5年=600万円

まで、税金が課されない投資ができるのです。

つまり、この枠内で銘柄を売買して得た売却益には税金がかからないのです。
仮に120万円投資して60万円を利益が出れば、通常は利益に対して20%、つまり12万円もの税金を収めなければなりませんが、NISA口座なら12万円をひかれず、そのまま60万円を利益として受け取れます。

具体的に考えれば、以下投資にかかる税金が大きくて、それを軽減させることが重要なことかわかりますね。

うまく使えばとても有効なNISA口座ですが、デメリットもあります。
次章ではNISA口座のデメリットにも触れていきます。

NISA口座のデメリットとは


一定枠内の投資額であれば税金が課されないという一方で、 損失が生じても考慮してくれないというデメリットがあります。投資をしていれば必ず損失が発生するときが出てきます。

デメリットものひとつは、NISA口座で保有している金融商品が、もし仮に値下がりした後、ロスカットなどで売却するなどして損失が生じた場合、特定口座等で生じた譲渡益との相殺や配当金との相殺(損益通算といいます)などができないのです。

また、NISA口座を開設し、1月に20万円、6月に50万円、11月に50万円金融商品を購入するとこの時点で120万円上限いっぱいになります。

そして、1月に購入した20万円を2月に売却したとしても、非課税投資枠の再利用(銘柄の入れ替えなので、スイッチングといいます)ができない、つまり新たな「非課税投資枠の空き」ができたことにはならない、という点です。

つまり、最長5年間、税金が課されないとされている一方で、損失が生じてもその分は考慮してくれず、なおかつ銘柄の入れ替えなどができないのがNISA口座の特長といえるでしょう。

株の特定口座とはなにか


NISA口座口座の次は特定口座とはなにか、解説していきます。

特定口座とは、NISA制度ができる以前の平成15年から運用が開始された制度で、特定口座を開設した金融機関が所得の計算をしてくれ、年間取引報告書という確定申告に添付する書類まで作成してくれる簡易申告口座と、金融機関が所得の計算をしてくれ、税金の徴収までしてくれる源泉徴収選択口座に分かれます。

どちらにせよ、特定口座の場合は課税がかかる。まずはこのことを覚えておくとよいでしょう。

NISA制度との対比でいうと、上場株式等の譲渡益が生じた場合や配当が生じた場合には税金が課されるので、その税金の計算や申告の手間を、特定口座を開設した金融機関が行ってくれると考えるといいでしょう。

会社員の方などが株式投資を始めるときには多くの方がこの特定口座を選択します。
その他、一般口座もありますが、所得の計算をするという手間を納税者が行わなければならないので、ここでは割愛します。

特定口座は課税ありきの口座


つまり、NISA口座が一定の預入額まで譲渡所得も配当所得も課されないのに対し、特定口座は簡易申告口座にせよ、源泉徴収選択口座にせよ譲渡所得も配当所得も課すということが前提になっています。

このように説明すると「NISA口座のほうが特定口座より税制面で優遇されているのではないか」と考えがちですが、そうでない面もあります。それは、上場株式等の取引ですから「売却益」が生じる場合も「売却損」が生じる場合もあります。

「売却損」が生じれば、まずは上場株式の譲渡益や申告分離課税を選択した上場株式の配当等と損益通算(つまりは相殺)することとなります。相殺できないほどの「売却損」が残ればそれは繰越控除といって翌年以降3年間繰り越すことができます。

連続して確定申告書を提出するという納税者の手間はあるものの、このように「売却損」を節税に利用できるのは特定口座のメリットのひとつといえるでしょう。

これまでの解説のポイントを整理しましょう。
ポイントは以下になります。

・NISA口座
譲渡益(株式の売買益)にも配当益にも税金が課されない代わりに、株の値下がり損や銘柄の入れ替えには不向き、柔軟性に欠ける

・特定口座
譲渡益や配当益には税金が課されるが、損益通算や繰越控除が利用できるので、積極的な売買をする人、銘柄の入れ替えを行いたい人には向いている

ということになります。

このようにNISA口座のメリット・デメリットと特定口座のメリット・デメリットは表裏一体となっているといっていいでしょう。

NISA口座と特定口座の使い分けは投資のスタイル・目的で変える


NISAは平成26年に運用が開始された制度なので、まだまだ日が浅いといえます。そのため、毎年のように税制改正がなされているのですが、平成30年のトピックとしては、平成26年に口座開設し、運用を開始した人は平成30年末に預け入れ期間5年の満了時期をはじめてむかえることとなります。

この場合、NISA口座が開設されているのと同じ金融機関に特定口座が開設されている場合には

・再びNISA口座に預け替えをする

もしくは

・特定口座に移管する

このどちらかを選択することができます。

したがって、この制度を活用したい場合には、NISAの満了時期までに同じ金融機関にNISA口座と特定口座を両方開設しておくのがポイントです。

おおまかにとりまとめると

積極的に売買や銘柄の入れ替えを行う人→特定口座向き
ある程度、余剰資金を預けっ放しでいい人はNISA口座が向いている→

ということが言えます。

NISA口座と特定口座のどちらがいい?悪い?ということではなく、そのときの状況や自分の投資スタイルに合った併用や使いわけが重要になってくるでしょう。